ハロー効果

ハロー効果とは

ハロー効果とは、人の意思決定に影響を与える思考メカニズムのことで、要約すると「第一印象に頼る」ということになります。

それは、脳の自然なプロセスなのです。

身体的特徴以外のデータがない中で、人やモノにスキルを付与することができるため、迅速な判断が可能になります。

この考え方は、マーケティングにおいて、アイテムやブランドのイメージを向上させ、売上を伸ばすために常用されています。

本元記事…ハロー効果 - セットで学ぶ心理学 

ハロー効果の由来

ハロー効果という言葉は、おそらく中世の絵画で聖人の頭上に描かれた後光に由来しています。

この光背(後光)によって、描かれている人物が聖人であることが一目瞭然になったからです。

ポジティブハロー効果とネガティブハロー効果

ハロー効果は、ポジティブな特性に対してのみ、一方向に働くと考えるべきではありません。

人、グループ、ブランドと結びついたネガティブな特性に対しても、同じように作用することが確立されているのです。 これを「ネガティブハロー効果」といいます。

ポジティブなハロー効果に必要な要素

ハロー効果にはポジティブな効果とネガティブな効果があります。

ビジネスでポジティブなハロー効果を期待するには以下の要素が不可欠です。

1.外観
服が人をつくるのではない、と言われます。しかし、人間は無意識のうちに、人を外見で判断してしまいがちです。そのため、自分の職業に応じた服装をすることが賢明です。
また、服装だけでなく、よく手入れされたひげ、きちんとした爪、整った髪型など、細部へのこだわりもポジティブに捉えられているようです。

2.姿勢
ファーストコンタクトの際に相手の受け止め方に影響を与えるのが、姿勢です。身体の姿勢、立ち方、背筋の伸び、地面に固定した足、握手の強さ、笑顔、率直な表情、寄添う仕草などは、ほんの数秒で相手の脳が無意識に処理する情報の組み合わせとなります。
また、話し方、ディクション、デリバリー、ボキャブラリー、イントネーションなども含まれます。相手が努力しなくても理解できるように、はっきりとした表現で話すように気をつけましょう。

3.キャッチフレーズ
もちろん、ファーストアプローチを成功させるためには、言葉の選択も重要です。短いけれどもパンチの効いたコマーシャル・キャッチフレーズを練習します。
このキャッチフレーズは、事前に綿密な打ち合わせを行い、その都度対応することが必要です。

4.契約内容
「フット・イン・ドア」は、たとえ小さなものであっても、対話者の最初の同意があれば、後の提案をより容易に受け入れるようになることを意味しています。
最初はしばしば難しいですが、自信をつけ次のステップのために自分の脳内に一貫性の必要性を確立させるのです。そのため、最初のコンタクトが、後の作業を容易にするのです。

ハロー効果の例

ある企業が求人募集をしています。

採用担当者は、平均的な履歴書を持ち、同等の現場経験を持つ2人の相手と面談します。

面接の前に、採用担当者は2人の相手が並んで座っているのを見て、片方の相手の方が身体的に魅力的と判断します。

ある人が美しさを持っていることを発見すると、ポジティブな印象が生まれ、全体的に前向きな気持ちになるのです。

そのため、魅力的な人物は、ハロー効果により、より知的で責任感があり、より優れた資質を備えていると認識されるのです。

そのため、魅力的な相手は、担当者に採用される可能性が高くなるのです。

関連心理学用語

ステレオタイプ

ステレオタイプとは、ある集団に対する先入観のこと。

ピグマリオン効果

ピグマリオン効果とは、人の感情や認識は、程度の差こそあれ、他人の潜在意識に影響されるという心理学用語。

確証バイアス

確証バイアスとは、自分の既存の信念や仮説を確認するように情報を検索し、解釈し、支持し、思い出す心理傾向のこと。

プラシーボ効果

プラシーボ効果とは、人が利益を受けると信じているために起こる有益な効果のことを指し。

メラビアンの法則

メラビアンの法則とは、人と人がコミュニケーションを図るときは、「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」という割合で影響を与えていることを示した心理学上の法則。

ホーン効果

ホーン効果とは、ある人物に対する否定的なバイアスが、その人物の美点を覆い隠してしまう場合に発生する心理効果。