ピグマリオン効果
ピグマリオン効果とは
ピグマリオン効果とは、人の感情や認識は、程度の差こそあれ、他人の潜在意識に影響されるという心理学用語です。
人は、好きな人、憧れの人、信頼する人、尊敬する人の影響や暗示を無意識に受け入れてしまうものです。
ピグマリオン効果は、アメリカの有名な心理学者ローゼンタールとジャガーによって開発されたもので、小学校の授業で実験が行われたので「ローゼンタール効果」とも呼ばれています。
本元記事…ピグマリオン効果 - セットで学ぶ心理学
ピグマリオン効果の由来
ピグマリオン効果という言葉が生まれる前からピグマリオンという名前自体は文学界で長い間知られていました。
ピグマリオンは、ローマの詩人オウィディウスによって書かれた散文で初めて登場しました。
ピグマリオンは彫刻家で、彼は自分が作った彫刻「ガラテア」を人間のように扱い、愛する像が本物の女性に変わることを祈り続けます。
ある日、女神アフロディーテはピグマリオンの祈りに応え、ガラテアは本当に人間になりました。
ピグマリオンとガラテアは結婚し、パフォスという名前の息子をもうけたと書いてあります。
ピグマリオン効果に関する実験
ネズミを使った実験
ピグマリオン効果を明らかにしたのはローゼンタール教授で、彼はある実験からこの結論に達しました。
当時、彼は2人の実験者に2つのグループのネズミを与えました。
そのうちの1人にこう言いました。
「あなたに与えたネズミは賢いのでうまく調教してほしい」と。
もう1人の実験者には「渡したのは普通のネズミだから」と言いました。
2人の実験者はネズミを訓練したあとローゼンタール教授に引き渡し、迷路に走らせて知能テストを行いました。
その結果、賢いとラベル付けされたネズミの方が、先に迷路から逃げ出すことが判明しました。
実は、この2つのネズミのグループはランダムにグループ分けされており、どちらがより高い知能を持っているかは誰にも分かりませんでした。
賢いネズミだと告げられた実験者は熱心に訓練したことによるものだと考えられます。
子供を使った実験
ローゼンタール教授の実験は、スプルース校の小学生を対象に行われました。
最初に子供たち全員知能テストを受けてもらいました。
しかし、その結果は実は重要ではありませんでした。
ローゼンタール教授はテストの結果から学力が伸びる可能性がある子供の名前を教師たちに告げました。
本当は子供たちの中から無作為に20%を選んだだけです。
8か月後、子供たちは再びテストを受けてもらいましたが、教師に学力が伸びると告げた子供たちは他の子供よりも高い得点を取りました。
職場におけるピグマリオン効果
上司は、部下の仕事の成果に影響を与える重要な役割を担っています。
部下にやる気を起こさせ、励まし、より良いものを期待することで、生産性を向上させることができます。
例えば、ある社員が本当に有能であるにもかかわらず、本来の能力を発揮できていない場合、上司が少し励ますだけで、その社員は安心することができます。
上司が期待することで、従業員は仕事に対して前向きな行動を取るようになり、期待通り、あるいは想像以上の成果を上げるようになります。
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