取り入れ

取り入れとは

取り入れとは、周囲の世界、特に他人の行動や属性などの断片を自分の中に複製する心理的防衛機制です。

関連する概念として、同一化、取り入れ、取り込みなどがあります。

簡単な例では、友人から特徴を聞き取る人(例えば、誰かが「ばかばかしい!」といつも叫ぶと、友人もそれを言うようになる)は、内挿に参加していることになります。

精神分析家フロイトによれば、自我と超自我は、外部の行動パターンを自分のペルソナに取り入れすることによって構築されるといいます。

また、「取り入れ」とは、不安を引き起こす可能性のある外からの脅威を、対象の内的世界に取り入れ、中和・緩和する防衛メカニズムの名称でもあります。

具体的には、不在の重要な人物(例えば、仕事に行った母親や天国に行った親戚など)の属性や態度、資質などを自分の中に取り込むことを指します。

よく使われる例として、子供が不在の両親の表象を自分の中に取り入れ、同時に自分の人格と融合させることがあります。

投影は取り入れの初期段階として説明されています。

本元記事…取り入れ - セットで学ぶ心理学 

防衛機制としての取り入れ

取り入れは、その人の状況によって、役に立つこともあれば、有害な防衛機制になることもあります。

他者から得た資質を取り入れしてしまうような状況には、次のようなものがあります。

・自尊心が低い
・自信のなさ
・人生に迷い、不安を感じている
・不幸な関係、または虐待を受けていること、または心の病を抱えていること

取り入れ、その人に欠けている資質を与え、より良い人間になるため、あるいは人生を向上させるために必要なものであれば、ポジティブなものになり得るということに留意することが重要です。

これは、自尊心が非常に低い人や、自分の中に多くの不安を抱えている人に起こる可能性があります。

また、人は自分自身や他人のある部分に対して脅威を感じたときに、防衛機制として取り入れを利用することになります。

例えば、自分の人格の中でそのような感情を経験することから自分を守るために、ネガティブとみなされる性質を取り入れさせることがあります。

ここで、他人から受け継いだ資質は、自分にとって良い資質ではないかもしれませんし、自分の人生をより悪くする可能性もあります。

取り入れは、その人が過去の何かを乗り越えようとしている場合にも問題を引き起こすことがあります。

例えば、虐待された関係や、ある種のトラウマを乗り越えようとしている場合などです。

もし、その人が自分に起こったこととは関係のない他の人の資質を取り入れようとすると、そこから前進するのではなく、過去から抜け出せなくなる可能性があります。

ネガティブな取り入れの治療法

否定的取り入れに苦しんでいる人が、その問題行動を癒し、克服するために試すことができるセラピーがいくつかあります。

この問題に対する治療法のひとつが、考え方や行動の仕方を変えていく「認知行動療法」です。

もう一つのタイプは、無意識の思考や動機を理解することに重点を置く、「精神力動的療法」です。

この2つのセラピーは、ネガティブな性質を自己の感覚に取り込む原因となっている問題を特定し、解決するために非常に有効です。

取り入れに悩む人は、セラピスト、心理学者、カウンセラー、精神科医など、精神衛生の専門家に助けを求めることもできます。

専門家は、その人の生活の中で何が苦痛になっているのかについて、何らかの指導と理解を提供することができるかもしれません。

また、他人の特質がどのようにあなたの自己認識の一部となったかについて、洞察を与えることができるかもしれません。

また、取り入れ障害について、それが人生にどのような影響を与えるか、改善するために何ができるかを知る手助けをすることもできます。

さらに重要なことは、この種の防衛機制から、より健康的な感情への対処法へと前進することに苦しんでいる人に、サポートを提供することができるかもしれないことです。

◆ネガティブな取り入れに対処するためのヒント もし、あなたがネガティブな取り入れを経験しているなら、この問題を解決するためにできることがいくつかあります。

まず、どのくらいの頻度で起こっているのか、また、具体的にどのような出来事がこれらの問題を引き起こしたのかを書き出してみることです。

そうすることで、これらのイントロダクションを引き起こしている可能性のあるものと、それがどこから来ているのかを特定することができます。

次に、その人や状況から受けたポジティブな資質を書き出してみることです。

そうすることで、それらの良い点を自分の性格に取り入れようとしている自分に気づくたびに、自尊心を高めることができます。

例防衛機制としての取り入れは、自己愛的な特徴を持つ人がよく使う。

例えば、内面的に自分自身を良く思っていないという事実を補うために、他人を操ったり、過度にコントロールしたりします。

関連心理学用語

防衛機制

防衛機制とは、個人のある種の現実を歪め、操作し、あるいは否定するために無意識が用いる心理的戦略のこと。