ホーン効果
ホーン効果とは
ホーン効果とは、ある人物に対する否定的なバイアスが、その人物の美点を覆い隠してしまう場合に発生する心理効果です。
例えば、次のようなことです。
着飾った人は裕福だと思われる......つまり、貪欲だと思われるのです。
しかし、事実はおそらく彼は世界で最も寛大な人なのです。
ビル・ゲイツについて考えてみましょう。
なぜ、彼のことをいつも疑ってかかる人がいるのでしょうか?
例えば自分とは違う政治的立場をとる人が板とします。
もし、誰かの意見に反対したとしても、それはお互いに助け合えないということではありません。
本元記事…ホーン効果 - セットで学ぶ心理学
ホーン効果の例
これも非常によくある状況です。
嫌いな上司がいます。
いつも叫んでいます。
彼はいつも誰に対しても怒っています。
しかし、あるある部下がサプライヤーでちょっとしたトラブルがあり、どうしたらいいかわからなくなっています。
彼は、この上司に助けを求めるべきでしょうか? 部下は、上司の対人スキルが低いと思っているから、相談したくないでしょう。
「どうすればいいのでしょうか?」と聞いてみたらどうでしょう。
彼が失礼な人だからといって、この状況をどう扱うかについてあなたより知らないとは限りません。
私たちがビジネスで出会った最も賢い人々の中には、無礼で、貪欲で、ケチな人もいました。
なぜ、その人たちを利用しないのか?
嫌いだからといって、その人が賢くないと決めつけないことです。
どんな性格の人でも、みんなから情報を得ようとするのです。
教育の場でのホーン効果
ホーン効果は、学問の場でも起こりうることです。
例えば、古い研究では、教師は魅力的な生徒ほどIQが高いと思い込み、魅力的でないと認識されている生徒よりも将来的に多くの教養を身につけることを期待していることがわかりました。
さらに最近の顕著な発見として、カメラをオフにした(つまり教師から見えない)オンラインコースでは、魅力的な学生ほど従来のコースよりも有意にスコアが高く、高い魅力によるバイアスの可能性が示唆されたことです。
つまり魅力的でない学生はホーン効果によってスコアが低くなっているのです。
またある研究では知覚された魅力と学業成績の評価との関係について検討しています。
その結果、より魅力的と評価された顔は、より知的で学業成績が良いと評価されることがわかったのです。
これも魅力的出ない顔の人はホーン効果を受けています。
この実験を受けて、研究者らは、教育現場におけるこのバイアスを防ぐために、教師は誰の作品を採点しているのかを知らないようにして、生徒の魅力に関する認識が成績に影響しないようにすべきであると提案しました。
大学などでは、このようなバイアスを避けるために、匿名で作品を提出するところもあるようですが、この方法はもっと支持されるべきでしょう。
どうすればホーン効果を減らせるか?
まずは、ホーン効果の存在と、人と会ったときにその影響を受けてしまうことを自分自身で認めることです。
そして、それがあなたの判断に影響を与えないようにするのは、あなた次第なのです。
ホーン効果には分析的思考と直感的思考の2種類が関係しています。
分析的思考を強化することで、直感的思考によるバイアスを相殺し、ホーン効果を軽減することができます。
分析的思考を奨励された人は、教師の資質を評価する際に偏りが少ないという研究結果もあります。
ですから、本を表紙で判断する前にもっと注意深く考えることが、その人の実際の性格、資質、能力、健康状態をより正確に認識することにつながるのです。
関連心理学用語
ハロー効果
ハロー効果とは、人の意思決定に影響を与える思考メカニズムのことで、要約すると「第一印象に頼る」ということ。